自己破産は最後の砦にしよう

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自己破産は最後の砦にしよう

債務整理は返しきれないほどの借金を抱えてしまった人を救済するために存在している制度です。
何も考えずにお金を借りて、その結果として返済が出来なくなったというのであれば問題ですが、必要なお金を借りていった末に返済が出来なくなったなどの場合には利用を検討するべきと言えるでしょう。
ただ債務整理にもいくつかの種類がありますから、何も考えずに先入観だけで選ぶのは良くありません。
特に絶対に避けなくてはならないのが、借金の減額効果が大きいからという理由だけで自己破産を選ぶことです。
確かに自己破産は税金などの一部例外を除いて、申し立てをした段階で存在しているすべての債務を帳消しにできる強力な制度であることは間違いのない事実です。
ですが救済する必要があると言っても裁判所が無条件で借金を帳消しにしてくれるわけではありません。
制度を利用する際には債権者に対して弁済、つまりできうる限りの返済をしなくてはならないのです。
まず申し立てをした人がマイホームを持っていたのであれば、間違いなくそれは処分しなくてはならないでしょう。
マイホームは現代の日本で所持できる財産としては最も高額な部類にはいるものですから、売ればそれなりのお金が手に入ります。
ならばそれを売って債権者への弁済に充てるのが道理ですから、必ず競売にかけられることでしょう。
仮に住宅ローンの返済中で所有権がまだローン会社にあるとしても、それならばローン会社がその物件を没収して売却することになります。
つまりどのような形であったとしても、住宅を手元に残したまま自己破産をするというのは出来ないのです。
ちなみに自己破産で処分の対象となるのは破産を申し立てた人の財産のみですから、家族が名義人となっている住宅ならば失うことはありません。
しかし裁判所もそうしたことをする債務者がいるのはお見通しであるため、申し立ての直前に権利を移したことがわかったのであれば自己破産を認めることは無いでしょう。
下手をすれば詐欺の罪に問われる可能性すらありますから、やはり住宅を手元に残すことはできません。
加えて自己破産をした場合、その後10年間は新たな借り入れが出来なくなるというのも問題です。

法律で認められている債務整理であるとは言え、そこで行ったのは本来返済するべき借金を踏み倒したということに他なりません。
自分がお金を貸す側になって考えてみればわかることですが、貸したお金を返さずに踏み倒した人に対し、積極的にお金を貸したいと考える人はいないでしょう。
これは事業者がお金を貸す時にも全く同じですから、金融機関はそれぞれが情報を共有する信用情報の制度を導入しています。
信用情報の中にはそれぞれの個人がこれまでどこからお金を借りたのか、その返済はどうだったのかということがすべて記録されています。
その情報の中で自己破産をした事実が記録されていたとすると、金融機関側は「この人にお金を貸しても返してくれない可能性がある」と判断するでしょう。
そう見られてしまえば、どのような事情があってお金を借りようとしたとしても貸してもらうことは出来なくなってしまうのです。
カードローンやキャッシングといった消費目的融資は当然受けられなくなりますし、子どもの教育ローン、通勤通学のための自動車ローンなど、一切借りることは出来なくなると考える必要があります。
またインターネット決済などに使うクレジットカードについても、形としては借金であるために契約が出来なくなるのが普通です。
よって、もし今後お金を借りなくてはならない事情があるのならば必然的に自己破産を選ぶことはできません。
この信用情報に記録されるためにお金が借りられなくなるというのは他の債務整理でも同じですから自己破産だけが特別というわけではありません。
ただお金を借りられなくなる期間としては自己破産が最も長く設定されているわけですから、もし自己破産の道を選ぶのであればその後のライフプランを一度考え直さなくてはならないわけです。
こうしたことを踏まえると自己破産は正に最後の砦と言うべき位置づけにあるのですが、では自己破産以外で債務問題を解決するにはどうすれば良いのかと言うと、これは任意整理、特定調停、個人再生のいずれかが候補となります。
任意整理は特定の債権者との直接交渉、特定調停は特定の債権者との裁判所を通じた交渉、個人再生は裁判所に申し立てをして借金を減らして返済を継続する方法と特徴は異なります。
債務を減らす効果としては最初に少し触れたように自己破産が最も大きいのですが、その他の方法でも債務問題を解決することが可能です。
一円も返済しなくて良いというのは自己破産の大きなメリットではありますが、その分デメリットも強烈なものであるため、もし債務整理を考えているのであれば最初から選択肢を絞るのではなく、弁護士などと相談して最適な方法を選ぶようにしてください。